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最高裁判所第一小法廷 昭和32年(あ)3266号 判決 1958年7月10日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人副島次郎の上告趣意は、違憲をいう点もあるが、所論倉富ヒサエの自白が、憲法三八条三項の「本人の自白」に含まれないことは、当裁判所の判例の趣旨とするところであり(昭和二九年(あ)第一〇五六号、同三三年五月二八日大法廷判決参照)、また右自白が任意性を欠くものと疑うべき証跡は記録上認められず(この点に関する原審の判断は是認できる。)、その余の論旨は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫)

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